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精神科訪問看護で大事なコミュニケーションのポイント!求められるスキルは?

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本記事では精神科訪問看護へのキャリアチェンジにあたり、利用者さんと円滑にコミュニケーションを進めていくポイントやコツを紹介してまいります。

「精神科未経験でコミュニケーションに不安がある…」「訪問看護は経験したことあるけど、精神科は初めてで分からないことが多い…」「入社前にできる限り現場のことを知っておきたい」など漠然として不安や心配を感じている方も多いです。

ウィリングでも転職を検討している方からこのような相談を受ける機会が多いので、本記事を参考に精神科訪問看護の実態について是非ご理解いただければと思います。

1.精神科訪問看護の利用者さんの特徴は?

利用者さんとのコミュニケーションを円滑に進めることは、症状改善にはとても大事な要素です。それを実現する第一歩が利用者さんの病状や特徴を理解したうえで適切なコミュニケーションを取ることです。

1-1.コミュニケーションが得意ではない方も多い

精神疾患を患う利用者さんは自分の気持ちや考えを整理して表現するのが苦手なケースが多いです。

また、疾患の影響で警戒心が強いことや全く関係ないことも自身に関連づけて考えることがあり、他人とうまく人間関係を築くことが難しい利用者さんもいます。

元々コミュニケーションが苦手で他人と関係構築することができないストレスから精神疾患を発症したケースもあります。

1-2.日によって症状が異なる

精神疾患を持つ利用者さんは病状によって、「前回は心を開いてコミュニケーションを取ってくれたけど、今日訪問したら前回訪問時と態度が異なった」といったこともあります。

同じ利用者さんでもその時によってコミュニケーションの取り方を柔軟に変えて対応することが必要です。疾患によってそれぞれの特徴を知ることはもちろんですが、それを踏まえたうえで利用者さんによって異なる症状や変化を敏感にキャッチすることが精神科の訪問看護師に求められるスキルのひとつです。入職前はとても難しく思われるかもしれませんが、多くの訪問看護ステーションでは先輩社員との同行や社内研修などでフォローが行われています。ウィリングでも所長や先輩社員がフォローアップしながら新人の方を育成する同行訪問を積極的に行っています。

1-3.疾患症状が多様的である

精神疾患を持つ利用者さんの中には、複数の疾患を患っている場合や経過の途中で主病名が変わる場合もあり、要因となる疾患は様々です。

たとえば、うつ病を発症した方で症状が長引き、妄想や幻聴などの症状が現れるようになったため、統合失調症の診断が下される場合もあります。そのため、主病名だけで判断して、利用者さんを看護することはできません。

精神疾患の特徴として、ひとつの精神疾患でも現れる症状は幅広く、その症状によって起こりうる日常生活の障害は、利用者さんのこれまでの人間関係や生活環境により異なることが考えられます。

2.精神科訪問看護におけるコミュニケーションのポイント

前項で紹介した精神疾患を抱える利用者さんの特徴を踏まえたうえでこれから紹介するコミュニケーションのポイントを抑えることで、よりスムーズなサポートへと繋げられます。

2-1.利用者さんの言葉は否定はせず共感と尊重することが大事

精神疾患を抱える利用者さんへは共感と尊重の表現が重要です。 利用者さんが感じている悩みや考えを受け止めて、その気持ちに看護師が共感することで、利用者さんは自分自身を受け入れてもらえていると感じ、安心感を与えることに繋げられます。

精神疾患を抱える利用者さんは幻聴や幻覚、妄想などといった症状を訴える場合がありますので、利用者さんの主張は否定せず受け止めてあげることが大事です。

ただし、肯定するだけでは、本人の妄想や幻覚症状を悪化させてしまう原因になる可能性があるため、否定も肯定もせず受け止めることがコツです。

塩梅が凄く難しい部分ではありますが、最初は否定せずに利用者さんの気持ちや言葉を受け止めながら、先輩社員にアドバイスをもらいつつ実践していくと良いでしょう。

一般的な人間関係やコミュニケーションにおいても相手は自分の内面を映す鏡ですので、看護師さんも言動や態度で共感と尊重の意思を示して、利用者さんが自分自身を不安なく表現することができる空間を提供しましょう。

2-2.非言語コミュニケーションも意識する

精神科訪問看護では、非言語コミュニケーションもとても重要な役割を果たします。利用者さんの表情や身体の動き、声の調子などに注意を払い、感情や状態を読み取ることが大事です。非言語的なサインにもアンテナを張り、利用者さんとのコミュニケーションにおいて適切な対応をしていきましょう。

2-3.利用者さんの症状変化のサインを察知する

精神科訪問看護の訪問時間は限られていることが多いです。 限られた時間の中で利用者さんの精神症状を的確に把握する必要があります。 

一つの事例としてこのようなことがありました。ある日利用者さんの自宅を訪問した際、夜なかなか寝付けず、落ち着きがない利用者さんの様子で、その後も度々同様の症状が見られました。 症状について事業所内でも共有して、原因について考えました。

そして、あるライフサイクルに原因があることが分かりました。精神状態が不安定になる前はいつも父と会っていました。利用者さんと実父に話を聞いていくと実父との関係性が非常に悪かったことが分かったのです。利用者さんとご家族と向き合いながら、精神症状が悪化する兆候を知ることができれば、どのようにすれば、状況を改善できるか一緒に考えることができます。

経験が必要なことにはなりますが、訪問看護ステーションには必ず経験豊富な先輩社員がおりますので、共に考えていくことで解決へと向かっていきます。ウィリングでも定期的に利用者さんの状況について共有する時間を設けておりますので、今転職を検討している方も安心していただけるのではないでしょうか。

2-4.ケース別対処方法(一例)

2-4-1.妄想症状がある利用者さん

利用者さんの妄想は、利用者さん自身の内面や現在の状況を反映していることが多いです。

その状況から利用者さんを理解することもできます。妄想は否定せずにその背景を考えながら対応します。利用者さんのお話をしっかり聞いてあげることは大切ですが、全てを肯定してコミュニケーションを取る必要はなく、「そういうものなのですね」程度に適度に受け流しながら、利用者さんの感情が表れている時には、分かりやすい表現で共感の姿勢を示します。

2-4-2.うつ病の利用者さん

うつ病の症状がある利用者さんの場合、コミュニケーションの阻害になることは心身の症状です。内省的あるいは被害妄想的など、うつ病の症状を理解したコミュニケーション方法が必要です。

利用者さんをただ励ますような声かけはNGで、治療やケアにあたっては、身体を休めながら行えるよう細部まで配慮することが大切です。

3.精神科で働く看護師に求められるもの

与薬管理は他の科の看護でも重要ですが、精神科の利用者さんは薬を飲み込むまで見届けて、薬を飲む時間をきっちり守ることが必要です。利用者さんが確実に薬を服用するには信頼関係が不可欠です。

看護師は外部との関係機関とも連携して、それぞれの役割で接して利用者さん自身に、自分の周りには自分を理解して、サポートしてくれる人がいると実感してもらうことが大切です。

前項でも述べましたが、精神疾患の利用者さんは時間や日によって症状や状態が変わります。そして、精神科の利用者さんの中には、他疾患も合わせ持っていることがあるため、看護師は幅広い疾患の知識と対応力が必要とされます。難しい疾患の場合は一人で抱え込まず社内外の人を巻き込んでサポートをすることも求められます。

また、精神疾患利用者さんは症状を自覚していないことがありますが、そうした場合でも、看護師さんが普段から利用者さんの様子を把握することで、悪化するケースを防ぐことができます。

普段から利用者さんを理解することに努めて、粘り強く、利用者さんとコミュニケーションを取ることが大事です。

初めは利用者さんやご家族と信頼関係を築くまでは大変だと感じると思いますが、利用者さんから信頼されて、自分の言葉を受け入れてもらえた時に強く精神科看護師としてのやりがいを感じられることは間違いありません。

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4.さいごに

精神科訪問看護へのキャリアチェンジにあたり、難しいと言われている利用者さんとの円滑なコミュニケーションのポイントについて一部ご紹介してまいりましたが、より精神科訪問看護の仕事を知っていただき、「挑戦してみたい」と思っていただけたら嬉しいです。

ウィリングではキャリアチェンジを検討している、もっと訪問看護をしりたいといった方に向けたLINEの窓口をご用意しています。直近では転職を検討していない方でもご興味があればご登録いただけるとありがたいです。本記事だけでは伝えきれない魅力ややりがい、社内のことなど、多岐に渡って疑問や質問に対応してまいります。