・病院の人間関係に疲れたから退職したい
・看護師を続けたいけど、どういう職場が人間関係で悩まないかわからない
・人間関係が悪いところは退職すべきなの?
看護師は、女性の職場特有の人間関係や、業務の煩雑さやさまざまなプレッシャーによって人間関係が悪化し、退職したいと考えている方も少なくありません。
人間関係で悩んだら、退職するのが一番良い判断なのでしょうか。
人間関係はどこでも同じと言われた経験がある方もいらっしゃるでしょう。何も行動せずに我慢していると自分自身の心身も疲弊して私生活にも影響を出しかねませんよね。
今回は、看護師を辞めたいと感じた理由、どのような人間関係で悩むのか、人間関係で悩みにくい職場について解説しています。
看護師を辞めたいけどどうしたら良いか迷っている方、人間関係をよくしたい、他の方はどう思っているのかと考えた経験のある方は、是非ともこの記事を参考にしてみてください。
目次
看護師を辞めたいと感じた理由は?
看護師として働いているときに、ふと「辞めたい」と感じた経験がある方も少なくないでしょう。
その理由は誰でも同じなのでしょうか。
この項目では、看護師を辞めたいと感じた理由について解説します。
インシデントをしてしまったとき
看護師としての業務は忙しいし、休みがあっても疲れが取れないと、心も体も疲弊してしまいますよね。
十分に注意したつもりだったのに薬を間違えてしまったり、自分がきっかけではなくても患者さんの転倒を発見したりとインシデントが起きてしまったときに看護師を辞めたいと感じてしまいます。
人間は間違えるものではあるんですが、確認不足や人手不足が悪影響となってしまうことも少なくありません。
起きないようにすべきではありますが、起きてしまったインシデントを振り返って、アクシデントにならないようにしていくことが大切です。
業務が煩雑すぎて自分だけではこなせないと感じたとき
看護学校で大変な勉強や実習を乗り越え、必死に勉強して看護師国家試験に合格して看護師になっても、毎日の業務は忙しく、自分だけではこなせないと感じてしまいます。
そういうときに、看護師を辞めたくなってしまいます。
残業が多くて帰る時間がいつも遅くなる
就業時間は決まっていますが、業務が煩雑すぎたり、退職や欠勤者がでてしまうと、業務の数は減らないのに一人に対する業務負担は減ることがありません。
そうなると残業しないと終わらなくなり、帰る時間が遅くなってしまい、そんなときに看護師を辞めたいと感じてしまいます。
研究や委員会など業務外の仕事が多い
看護師になったら、看護研究やさまざまな委員会に参加しないといけない病院がほとんどです。
患者さんのお世話や処置などの看護業務だけだと思っていたのに、やりがいを感じられない方もいらっしゃるかもしれません。
看護研究も、さまざまな委員会も、看護には大変必要なことなのです。しかし、看護師としてはこれらの業務外の仕事が心身の負担になっていることは間違いないでしょう。
給料が思ったよりもらえていないと感じる
毎日毎日、業務は煩雑だし人員不足は解消されないし、残業は多いし夜勤はしないといけないしと、看護師の仕事は本当に大変なことばかりですよね。
唯一の楽しみは給料日だという方もいらっしゃるかもしれませんが、いざ給料明細をみたときに、思ったよりももらえていないとがっかりしてしまいます。
もっと給料が多かったら良いのにと感じたときに、このまま看護師を続けられるのだろうかと悩んでしまうかもしれません。
同期や先輩が退職したときに
職場の人間関係も仕事を続けるには大切な条件です。
しかし、同期や先輩が退職すると聞いたときに、自分もこのままで良いのかと辞めたくなってしまいますよね。
休みの日に急な勤務変更の電話があったとき
やっと休みだと仕事のことを考えずに休日を過ごしていたときに、職場からの電話にはびっくりさせられます。
予定を入れていたとしても、急な勤務変更が必要だったり、最悪の場合は休みだと思っていた当日に勤務して欲しいと依頼があったときには、看護師を辞めたいと感じてしまいます。
休みのあとの疲れが取れない
決まった休みがあっても、夜勤が続いていたり、丸一日休めなかったりすると疲れが取れずに翌日にも響いてしまいます。
また、連休がないと疲れも取りにくかったりする方もいらっしゃるでしょう。
人手不足が解消されない
看護師は人手不足と言われ、それが解消されているところは少なく、人手不足は慢性化してしまっています。
いつか充足されると上司に言われていても、その先が見えずに煩雑な業務や一人あたりの負担も軽減されず、このまま看護師を続けられるのだろうかと感じてしまいます。
上司や後輩との人間関係に悩まされたとき
看護師の男女比率は、圧倒的に女性が多い状況です。
女性特有のやりとりや、男女関係なく、上司や後輩との人間関係に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
どんなに給料や職場が自宅から近いなどのメリットがあったとしても、人間関係が悪いと看護師を続けるのが辛くなってしまいます。
患者さんと上手くコミュニケーションがとれないとき
人との関わりが好きで看護師になったとしても、いろんな患者さんがいるので、自分と上手くコミュニケーションが取れない場合もあります。
よかれと思ってやったことも、患者さんにとっては迷惑だったり、声のかけ方一つで上手くいくこともダメになってしまう場合も少なくありません。
どんな人間関係で悩むのか
看護師の仕事では、人間関係で悩んで退職する方が多くいらっしゃいます。
どのような人間関係で悩むのでしょうか。
上司との関係
まずは、上司との関係をみてみましょう。
業務内容だけではなく、勤務の調整などプライベートなことを相談することも少なくありません。
話を良く聞いてくれて相談しやすかったり、いつも穏やかな雰囲気の上司であれば安心できますよね。
しかし、いつもピリピリしていたり、機嫌の良し悪しがあったり、相手によって態度を変えたりと関わりにくい上司だと働きにくくなります。
先輩との関係
先輩との関係も重要です。
慣れていない環境で業務を教えてもらったり、相談できたりと関係が良いと仕事がしやすくなります。
しかし、相談できなかったり、意地悪だったりしたときには一緒に働くのも大変です。
同僚との関係
同僚だからわかり合えることも多いのですが、その関係が上手くいかないと仕事がしづらくなってしまいます。先輩には聞けないけど、相談したかったり一緒にして欲しいことも頼みやすかったりしますよね。
味方になる同僚がいると心強いものです。
しかし、仲の良かった同僚が業務外の委員会や看護研究で協力してくれなかったり、違う一面を見てしまったりすると、その関係性が悪化してしまいます。
後輩との関係
後輩との関係が悪いのも働きにくいものです。
自分が先輩だからと気を遣っていても、意地悪されたり上司に告げ口されたりと嫌な思いをさせられたりして余計に関係が悪くなってしまいます。
医師や他職種との関係
看護師は医師だけではなく、さまざまな職種と連携して看護を行っていきます。その連携を上手くするためには、コミュニケーションが取れないといけません。
しかし、お互いの意見がぶつかりわかり合えないと関係が悪化してしまいます。
さまざまな職種と上手く関わっていくことが看護師の役割でもあります。
看護師同士のチームワーク
先述したとおり、上司や先輩後輩、同僚など看護師同士のチームワークが上手くいかないと病棟の流れも悪くなり、やりたかった看護ができなくなってしまいます。
看護師同士のチームワークが悪くなれば、他の職種からも話しかけづらいと感じられたり、少しも関わらないようにされたりと、看護師だけではない全体の問題にもなってしまいます。
患者さんとの関係
看護師の連携が取れない場合、患者さんの要望が上手く届かなかったり問題が生じてしまいます。
また、看護師と患者さんとのやりとりが上手くいかず、トラブルに発展してしまうケースもあります。
これらとは逆に、患者さん自身がワガママを通そうと無理矢理看護師に要望を投げかけたり、ハラスメントなどの問題を起こしてしまうと関係修復は難しくなります。
人間関係で悩んだときにどうするか
これらの人間関係に悩んだときにはどうしたらよいのでしょうか。
この項目でみていきましょう。
上司に相談する
まずは、直属の上司に相談しましょう。
たとえ、相談しにくい上司だとしてもまずは相談することが大切です。大切なのは、相談するタイミングや相談する際の説明の方法に注意しましょう。
どのタイミングで相談できそうなのかだったり、悩みがあるから相談したいと簡単に伝えたりと伝えましょう。
先輩に相談する
話しやすい、相談しやすい先輩に相談するのも良いでしょう。
上司に相談するにはどう伝えたら良いのかだったり、どのタイミングだったら良いのかだったりと、自分では経験したことがなかったら先輩が上手く教えてくれます。
相談できるように、前もって関係性を良くすることが大切かもしれません。
部署異動を希望する
人間関係で悩んで退職する前に、同じ病院でも部署の異動が可能かを相談してみましょう。
もしかしたら、自分に合った部署が見つかるかもしれませんし、自分と仲の良いスタッフと働くことできるかもしれません。
部署異動を希望する際には、悩んでいる理由や状況について具体的に、詳しく相談することが大切です。
転職をする
人間関係に悩んだり、部署異動ができなかったりした際には、他の病院などへの転職をするのも一つの手段です。
ただし、転職する前にはしっかりと考えておくことがあります。
本当に転職して良いのか、環境の変化や給与面の変化はないかなど事前に調べておくことが大切です。
人間関係を良くするためには
人間関係が悪いと感じていても、少しでも良くしたいと感じたときにはどうしたらよいのでしょうか。
自分にもできることがあるかもしれません。
この項目でみていきましょう。
自ら挨拶をする
まずは、自ら挨拶をしましょう。
嫌いだったり、不快に感じていると、無意識にその人を避けてしまっているかもしれません。
自ら挨拶をすることで、一日が気持ちよく感じられます。
悪口や意地悪に参加しない
人が集まると、誰かの悪口や意地悪をしてしまう人がいます。
悪口を言うことでスッキリしている人もいるかもしれませんが、自分はそれには参加しないという強い気持ちを持って、隣で悪口を言っても聞いていないふりをしましょう。
また、同意を求められても肯定せず、業務に専念することをおすすめします。
関係が悪い人との距離を置く
関係性が悪い人への挨拶は大切ですが、無理に仲良くしようと近づいてしまうともっと不快になり避けられるかもしれませんし、ひどい扱いをされるかもしれません。
無理に距離を詰めるのではなく、ある程度の距離を置いて業務に専念しましょう。
しかし、業務や患者さんに関わる大切なことは気持ちの浮き沈みを感じさせないアサーティブな話し方で相談したり、一緒に業務をこなすことが大切です。
勤務時間内の関係だと割り切る
結局は、勤務時間内の関係なのです。
プライベートは一緒にいないし、勤務が終われば関わらなくて良いと割り切って考え、笑顔で接して業務をこなすことも大切です。
無理に良くしようとしない
距離を置くのと同じで、無理に関係を良くしようとしなくても良いです。
自分が割ることをしてしまったのかと自分を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それは相手でないとわからないことです。
今はそっと距離を置いても良いのかもしれません。
自分を出し過ぎない
これは結構大切なことかもしれません。
自分が一番わかっている、自分が一番良くできるなど、自分を出してしまうと周りから浮いた状態になり嫌われてしまいます。
また、自分自身の心身の調整を行い、気分の浮き沈みがなく穏やかに業務をこなしたりコミュニケーションが取れたりすると、周りからも避けられたりや意地悪されにくくなります。
目立とうとしないことが大切です。
訪問看護ステーションは人間関係で悩みにくい職場
これまでは、主に病院での人間関係について解説してきました。では、看護師が人間関係で悩みにくい職場はあるのでしょうか。
実はあるんです。それは、訪問看護ステーションです。
どのような点が悩みにくいのか、この項目で解説します。
基本的に一人で訪問するため他の看護師との関わりが少ない
訪問看護の仕事は、基本的に一人で訪問するためほかの看護師とのかかわりが少なく、人間関係で悩みにくいといえます。
もちろん、事業所内での看護師とのかかわりはありますが、移動中や訪問先では自分一人で利用者さんへのケアを行いますので、ほかの看護師などの目を気にすることは一切ないのです。
移動中など一人の時間が多い
病院とは違ってご自宅や施設へ訪問し、看護を行います。そのため、移動中など一人の時間が多いので、人間関係で悩みにくいといえます。
例えば、車で移動する際には自分の好きな音楽を聴きながら気分転換することもできれば、車の中で歌いながらストレス発散することもできます。
また、移動中に昼食や休憩をとることも多いため、一人の時間を過ごすことも可能です。
連絡手段はチャットやLINEなどで済ませることもできる
病院とは違って、訪問先からほかのスタッフに連絡する手段はチャットやLINEなどを利用している事業所も多くあります。
そのため、電話で伝えるのが面倒だったり話しにくい相手だったりしても、チャットやLINEでサクッと済ませられるため、精神的にもとても楽です。
少人数だからこそコミュニケーションが取りやすい
訪問看護ステーションは少人数で運営している事業所がほとんどです。
そのため、少人数だからこそコミュニケーションが密に取れたり、働きやすくするために人間関係をよくしようとお互いを理解しようという姿勢がみられるため、人間関係で悩みにくいといえます。
病院のように委員会など時間外の役割がない
病院とは違って、訪問看護ステーションでは委員会や時間外の役割がほとんどありません。
しかし、事業所ごとに役割や勉強会はありますが、それぞれのライフスタイルなどを考慮して負担の少ない範囲での開催をすることも可能です。
先輩と訪問することで関係性が築きやすい
訪問看護は基本的に一人で訪問しますが、初めて訪問する際には先輩に同行するのがほとんどです。その際に、利用者のことや訪問看護で働くことなど、移動時間にさまざまな話をすることができるため、関係性を築きやすくなります。
病院とは違った先輩との時間を作ることが可能です。
スタッフそれぞれが動いているので相手の動きを気にしないで良い
訪問看護では、自分が利用者宅へ訪問しているのと同じく、ほかのスタッフもそれぞれ動いているので、相手の動きを気にせず仕事をすることができます。
病院では狭い環境で先輩や上司などの目を気にしながらビクビクと働いていたという経験のある方にとっては、精神的にも落ち着いて働くことができます。
直行直帰のため、周囲の勤務時間を気にしないで良い
訪問看護は、自宅から利用者宅へ訪問し、利用者宅から自宅へ帰るといった直行直帰を取り入れている事業所も多くあります。
そのため、周囲がどれだけ勤務しているかはその時にはわからないため、気にせず働くことができます。
利用者や家族とも親密な関係を築きやすい
な時間を過ごすことができます。
そのため、親密な関係を築きやすくなり、利用者の要望に応じた看護を実践することが可能になります。
病院ではやりたい看護ができなかったという人も少なくないと思いますが、訪問看護ではそれが比較的かなえることが可能なのです。
そうすることで、病院とは違って利用者との関係性もよくなるといえます。
人間関係で悩まないために、自分に合った職場を探して看護師を続けましょう
いかがでしたか?人間関係はどこでも同じとよく言われますが、それは誰でも同じように感じてきたことでもあります。
しかし、だからといってそのまま我慢するのも良くありません。
自分自身の心身を大切に、少しでも悩むことがない自分に合った職場で看護師を続けられるようにしていきましょう。
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