「訪問看護に転職してみたいけど、自分につとまるか不安。」
「訪問看護に興味があるけど、転職失敗したくないな…。」
「そもそも訪問看護ってどんな人が向いているの?私にも出来る?」
「転職成功のコツや、良い事業所を見つけるポイントも知りたい!」
本記事では、訪問看護へ転職を検討している方にむけ、以下の内容をお伝えしていきます。
- 病棟から訪問看護への転職で不安なことは?
- 訪問看護への転職失敗事例と、その解決方法
- 訪問看護に向いているのはどんな人?
- 訪問看護への転職を成功させるコツ!
訪問看護が未経験の方でもイメージしやすいよう、経験談も交えながらお伝えしていきます。
ぜひ最後までご覧になってくださいね。
1. 病棟から訪問看護へ転職する
「病棟から訪問看護に転職して、看護師としてのキャリアアップをしたい」とお考えの方もいらっしゃると思います。
病棟と訪問看護では、役割や働き方が大きく異なるため、色々と不安に思うのではないでしょうか。
ここでは、病棟から訪問看護へ転職する際、看護師が不安に思うことについてピックアップしました。不安への対処方法もあわせて解説していきますね。
1-1.利用者様との向き合い方が変わる
病棟と訪問看護のちがいの1つに、『利用者様との向き合い方』があります。
病棟では1日の受け持ち患者数が多く、交代制のため、1人の患者様に対し多くの看護師が関わります。
その日に担当する患者様の健康管理やケアが中心となるでしょう。
それに対し訪問看護では、1人の利用者様を数年単位で担当することもあり、ときには最期を見守ることもあります。
そのため病棟とは異なり、
- 利用者様がケア以外の時間も含め普段どのように過ごされているか
- 今後どのような経過を辿っていくのか
- どのように最期を迎えられたらよいか(終末期の場合)
このように広く、長期的な視点を持って利用者様と向き合っています。
また利用者様の生活スタイルをなるべく崩さないよう、ケアの方法もその方に合わせて工夫することも特徴のひとつです。
このように病棟と訪問看護では、利用者様の向き合い方に大きな差があります。
実際、この違いに多くの訪問看護師が不安を抱くようです。
Aさん(40代/訪問看護歴10年/管理職)
「病棟から訪問看護へ転職されてきた看護師さんは、利用者様との向き合い方に悩む人がとても多いです。
入職から1か月程経ち1人での訪問が始まると、先輩看護師と比べて自分の視野の狭さに気づき、『訪問看護が向いていないんじゃないか?』と不安に思う人が多いですね。」
ーどのように解決していけばよいでしょうか?
「利用者様との向き合い方に悩む時期は、どの訪問看護師にもあると思います。
視野を広げることは、経験していくうちに徐々にできるようになります。先輩看護師も経験しているはずなので、相談しやすい先輩に話を聞いてもらいながら乗り越えていきましょう。」
1-2.現場には初めから1人で向かう?
訪問看護ではよほど人手不足でないかぎり、初めから1人で訪問することはありません。
はじめは同行訪問で業務を覚えながら、徐々に1人立ちをしていきます。
訪問看護では治療やケアだけでなく、利用者様の生活環境も含めて多くのことを把握しておく必要があります。
現場で安心して支援をするためにも、同行訪問や事前の情報共有は念入りに行っておくとよいでしょう。
また1人での訪問が始まっても、分からないことや対応に困ることは多々あります。
事業所ではフォロー体制を整えているはずなので、不安なときは1人で判断せず、同じステーションの看護師に相談しながら進めていきましょう。
Sさん(20代/訪問看護歴4年目)
「入職して3か月間は同行訪問でした。最初は長いかな?と思っていたのですが、ケアの内容を覚えるだけでなく、利用者様と徐々に信頼関係を作っていくことができたので、同行訪問ができて良かったなと感じています。」
1-3.研修
訪問看護ステーションの教育・研修制度は訪問看護ステーションによってさまざまです。
大きな病棟であれば教育制度が整っていることも多いですが、訪問看護ステーションは小規模であり、人手不足から研修に時間や労力をさけない場合があります。
もしも事業所から充分な教育や指導が得られない場合、外部の講習を積極的に受講することで、知識を補ったり、スキルアップをはかったりすることもできます。
費用はかかりますが、協会に入会することで割引価格で受講できる場合もあります。
また近年は会場受講だけでなくオンラインセミナーも増えており、気軽に自己研鑽がしやすい環境ともいえるでしょう。
Oさん(30代/訪問看護歴2年目)
「オンラインセミナーを活用し、自信のなかったストーマ管理について学びました。コロナ渦で先輩から直接指導をいただくことも難しかったため、オンラインで受講できて良かったです。」
気になるセミナーがあれば、無理のない範囲で受講してみましょう!
- 訪問看護への転職で失敗したと感じることは!?
訪問看護へ転職後、すぐに退職する方もいるようです。
ここでは実際に訪問看護へ転職した方が、「転職失敗した!」と感じたことや、訪問看護を辞める理由、訪問看護から転職した理由、についてご紹介していきます。
転職失敗に陥らないために、対策方法についてもお伝えしていきます。
2-1.求人票と実際の勤務内容が違った
求人票の記載内容と実際の勤務内容に相違があったことで、退職や転職を選んだ人もいるようです。
Kさん(30代/訪問看護歴8年)
「入職した事業所では、人手不足のため残業が当たり前の状況でした。求人票記載の勤務時間とは差があったので不満に感じていました。ストレスが溜まり体調不良気味にもなったので、退職しました。」
Nさん(40代/訪問看護歴5年)
「求人票では“オンコール対応は要相談”との記載でしたが、いざ入職するとオンコール対応を求められました。子育て中で難しいことを伝えことわりましたが、なぜか上司から冷たい態度をとられ関係性も悪くなってしまったため退職し、他の事業所へ転職しました。」
内情については入職しないと分からないこともあるため、その会社に在職中の方、もしくは働いた経験のある方に話を聞けるとよいでしょう。
また見学会に参加して、現場の社員の雰囲気を見ることも大切です。「求人票とちがった」など、ネットの口コミもあれば参考にしてみましょう。
2-2.研修体制が全く整っていない
人員不足などの理由から、研修体制が整えられていない事業所もあります。
研修体制が整っていないと、訪問看護がはじめての方や、看護経験の浅い方にとっては不安になるかと思います。
Tさん(30代/求職活動中)
「キャリアを広げるために訪問看護へ転職しました。研修は入職時のみで、その後はまったくありませんでした。ここでは訪問看護師として成長ができないと感じ、すぐに辞めることを決めました。」
職場での研修があったほうが良いという方は、事前に研修制度について確認してみましょう。もしも曖昧な返答であった場合、実際はきちんと行われていない可能性もあるので注意しましょう。
2-3.社内環境が悪い
社内環境の悪さや、現場の上司やスタッフと相性が合わない、という理由で訪問看護を辞める人も多いようです。
Yさん(20代/訪問看護歴2年目)
「面接では人事担当の方とお話をし、印象が良かったので入社しました。しかしいざ働き始めると、現場では上司のパワハラがあるうえに、他の社員との話も合わなかったです。少人数のため居心地がとても悪く、早めに退職を決めました。」
人事担当の方のみでの面接では、現場の上司がどのような人柄か分からないため、入職後に困惑してしまうこともあるようです。
また中には経験歴が浅い人を見下すような人も一定数存在します。パワハラにも十分気を付けましょう。
人間関係の内情についても、できれば在職中の方もしくは、はたらいた経験のある方に話を聞けるとよいでしょう。
見学体験会に参加して、職員同士のコミュニケーションの様子や、上司・部下の関係性などもよく観察してみるとよいでしょう。
3.訪問看護師に向いている人は!?
「自分に訪問看護師が向いているか分からない…」と、なかなか一歩が踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
ここでは訪問看護師にはどんな人が向いているのか、4つの特徴についてお伝えしていきます。
3-1.自主性がある人
訪問看護では、病棟と比べ自主性が必要とされます。
病棟では、その日の受け持ち患者様に対し、決められたケアを中心に行います。
トラブルがあったさいはその場で他のスタッフからフォローを受けることもできます。
それに対し訪問看護では、訪問先のケアは基本的に1人で行うため、トラブル時もその場で自主的に考え、行動をとらなければなりません。
無理に自己判断をする必要はありませんが、電話などですぐに上司に確認をし、指示を仰ぐなどの対応がスムーズにできるとよいでしょう。
3-2.コミュニケーションに抵抗がない人
訪問看護では、事業所のスタッフ以外にも、利用者やご家族様、他職種など多くの人と関わる機会があるため、コミュニケーションは不可欠といえるでしょう。
訪問看護では、何よりも利用者様本人とご家族の協力が必要です。利用者様との信頼関係を築くためにもコミュニケーションは大切なツールといえます。
訪問看護でのコミュニケーションは大切なのですが、あまり「おしゃべり」である必要はありません。
「コミュニケーションをとることには抵抗がない」という方であれば、問題はないでしょう。
3-3.利用者様と近い距離で看護をしたい人
訪問看護では、利用者様のご自宅で生活の一部となって関わらせていただきます。
外出機会の少ない利用者様にとっては、スタッフの訪問が、安心感や楽しみに繋がることもあるでしょう。
訪問看護ではご家族が近くで 見守られている場面も多いです。
ケアや観察、内服に関する アドバイスを訪ねられたり、ご家族様からの要望を聞くこともあるでしょう。
利用者様だけでなく、ご家族も交えてケアを行いますので、より利用者様の生活に密着して看護をしたい方には向いているでしょう。
3-4.多職種連携が取れる人
病棟においても多職種連携は必要ですが、地域医療ではさらに関わる職種が増えます。
医師を中心として、看護師、薬剤師やヘルパー、リハビリ、ケアマネ、行政などさまざまな職種が、チームとなって1人の利用者様に関わります。
それぞれ勤務先がちがう場合も多いため、限られた時間の中でスムーズにコミュニケーションを取る能力も必要になってきます。
多職種連携は病棟勤務時代にも培われていますが、さらに職種が増えることや、コミュニケーションがやや取りづらくなることを念頭に置いて対応するとよいでしょう。
- 訪問看護ステーション転職のコツ
訪問看護ステーションへの転職を成功させるため、押さえておくべきポイントをご紹介します。
4-1.求人票で気を付ける点
求人票では以下のことを確認しておきましょう。
- 雇用形態
- 給与体系
- 勤務時間
- 福利厚生
- 訪問エリア
- オンコール対応の有無 など
お看取りや急変リスクの高い利用者様を受け入れている場合、オンコール対応が必要なケースが多いようです。オンコール対応は月に何回あるのかも確認をしておきましょう。
また他にも以下のような条件も確認できると、より具体的に働くときのイメージがつきやすいでしょう。
- 訪問先への移動手段
- 1人の利用者様に対し完全担当制か、もしくは数人での交代制か
- 1日の訪問件数基準の有無
- カルテの記録方法(パソコンか、手書きか) など
4-2.見学体験会への参加
見学体験会を開催している事業所もあるので、ぜひ参加をしてみましょう。
訪問看護がはじめての方も、実際の業務体験ができるためイメージがつきやすくなります。
また訪問看護ステーションは病棟と比べると小規模・少人数のところも多く、人間関係や職場の雰囲気は働きやすさに直結するといえます。
見学体験会をとおして、人間関係や現場の雰囲気をつかんでおくことも大切です。
4-3.社員の話を聞いてみる
可能なかぎり、多くの社員から話を聞いてみましょう。
話しやすい社員がいれば安心できますし、面接では聞きにくい話なども聞けるかもしれません。
webサイトをチェックして、スタッフインタビューを読んでみることもオススメです。
実際のはたらき方や現場の雰囲気をイメージすることに役立つでしょう。
- さいごに
いかがだったでしょうか?
訪問看護では、最初は同行訪問で仕事を覚えながら徐々に仕事に慣れていきます。職場の研修制度やオンラインセミナーなども活用しながら、知識をつけていくことも可能です。
病棟から訪問看護への転職では、利用者様との向き合い方が変わることに不安を覚える人が多いですが、訪問看護師であれば誰もが経験する通過点であるため、先輩に相談しながら一緒に乗り越えていきましょう。
訪問看護では基本的には1人での訪問になるため、ある程度の自主性が求められます。
さらに円滑な多職種連携や、周囲とのコミュニケーションが抵抗なくできるという方は、訪問看護師に向いている人材といえるでしょう。
そして訪問看護への転職を失敗しないための対策は、以下のとおりです。
- 研修制度が整っているか入職前に確認すること
- 見学体験会に参加して社内の人間関係をみておくこと
- 「求人票と違う」など悪い口コミが無いかを調べること
さらに訪問看護への転職を成功させるためには、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- 求人票の内容をよく確認すること
- 見学体験会へ参加し、仕事内容や現場の雰囲気をみておくこと
- 1日の働き方を確認して、実際に出勤から退勤までのイメージをすること
Willingでは「見学体験会」や「カジュアル面談」なども行っております。
訪問看護に興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください♩
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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