・転職で失敗したらどうしよう。
・看護師が転職で失敗する理由には何があるの?
・転職して後悔しないか不安。
日々、忙しく働いている看護師がさまざまな理由で転職をする機会が増えています。その際に、このような不安を抱いたことで行動に移せていない方もいらっしゃるかもしれません。
これまでのキャリアはどうなるのか、環境や人間関係が変わることで自分への負担はどれくらいなのかなど、考えたらどんどん不安になりますよね。
または、いっそのことスパッと転職するとスッキリするかもと何も考えないで行動に移してしまおうとしていませんか?
実は、看護師転職で失敗するのには理由があるのです。
それには原因があり、転職後に後悔してしまう場合もあります。その原因と対策をしておかないと転職を失敗してしまうかもしれませんよね。
今回は、看護師転職に失敗したり転職後に後悔したりする理由や、そうならないための対策について解説しています。
看護師転職を考えている方、これからライフステージの変化や環境の変化で転職の可能性がある方など、沢山の方に参考にしていただけたら幸いです。
目次
看護師が転職したい理由
看護師として日々忙しく働いている中で、転職したいと思ってしまう場面に遭遇することがあります。
その理由は自分だけが感じていると思っている方もいらっしゃるかもしれません。
どういう状況がその理由になるのでしょうか。
この項目で詳しく解説します。
業務量が多く、心身の負担が大きくなった
まずはじめに感じるのは、業務量が多くて心身の負担が大きく限界に至ってしまう場面です。
看護師の職場では、慢性的な人員不足のため一人当たりの業務量は増えていくだけで減っていくことを感じられないという方もいらっしゃいます。
自分の不慣れな業務であったり、初めて行うことであったりすると精神的に大きな負担になってしまいますよね。
一つの業務が終わっても次の業務が待っているし、終業時間が近づいても終わる気がしないと絶望してしまいます。
残業が多くて自分時間が取れない
看護師の職場は慢性的な人員不足であることから、業務量は多く終業時間通りに業務終了とならない日が少なくありません。
そうなると残業をして遅くに自宅に帰ることになるため、自分の時間が取れずに心も体も休まらないと感じてしまいます。
また、仕事の帰りに自分の好きな趣味をしようとしても、残業することでその時間を確保することも難しくなってしまうのです。
そうなると、転職したい、辞めたいと感じてしまいます。
休みの日も研修などで勤務先に行かないといけない
看護師の職場では休みの日でも研修などで勤務先に行かないといけないことがあります。
ここまで自分の時間を全て費やさないといけない状況は心身ともに負担が大きく継続が困難になってしまいます。
医療は「日進月歩」といわれます。
それぞれの看護師が日々、学んでいくべきであることは十分に理解しています。しかし、このような無理が重なってしまうと、学ぶことができずに看護師を辞めたいとまで思ってしまい行動に移ってしまう可能性が高いのです。
希望の休みが取れない
慢性的な人員不足と何度もお伝えしていますが、このことにより自分が希望する休みを取れない可能性があります。
中には、希望の休みが重なった場合はその人たちでどうするか交渉するようにと上司に言われる場合も少なくありません。
先輩の立場であれば、後輩に気をつかい希望を通しにくいですし、後輩の立場であれば先輩の手前、自分の希望を押し通すとそのあとの対応が困るのではないかとさまざまな悩みを抱いてしまいます。
また、子育てや介護によって休みが必要であれば、イベントごとが重なることは少なくないため、簡単に変更というわけにもいかなくなります。
そのため、看護師を辞めたり転職したいと感じてしまいます。
有給休暇を勝手に使われる
厚生労働省によると、2019年4月より、企業は年次有給休暇が10日以上付与される全ての労働者に対し、毎年5日間の年次有給休暇を確実に取得させる義務があります(労働基準法第39条第7項・第8項)。
対象者は正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員など、雇用形態に関わらず、要件を満たせば該当します。この義務に違反した場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
このことから、これまで自らの希望によって有給休暇を取得できなかったら職場が罰せられることになってしまいます。
有給休暇取得は義務だからと職場の都合で日にちやタイミングに関係なく、勝手に使われる状況になってしまうことも少なくありません。
できれば、子育てや介護、自分の時間として有給休暇を取得したいですよね。
しかし、勤務の都合によっては希望通りにいかずにこういった状況になってしまいます。
そのため、看護師を辞めたり転職したいと感じてしまいます。
子育てとの両立が難しい
看護師として忙しく働いていても、ライフステージの変化によっては働きながら子育てをする状況になります。
先述した通り、慢性的な人員不足は解消されにくいため、残業であったり希望の休みが取れないことで、仕事と子育ての両立が難しいと感じてしまいます。
イベントごとに休みをとって一緒に出かけたり、授業参観に参加したりなど、学校行事があると休みを取る必要があります。
子育てしている看護師が増えていくと、その希望も重なり休みが取りにくい状況にもなります。
職場によっては、休みやすかったり、調整をしてもらえたりはしますが、それも望めない場合は看護師を辞めたかったり、転職したいと感じてしまいます。
人間関係に悩む
看護師も一人の人間であり、うまくやり取りのできる患者さんもいれば、そうでない場合も少なくありません。
それだけではなく同じ職場の他職種との連携がうまくいかないと、患者さんのケアもうまくいかなくなってしまいます。
病院で働いていくためには、医療従事者対患者さん以外にも医療従事者同士の人間関係がうまくいくかも重要です。
また、看護師同士であっても上司や先輩、後輩などとも業務負担や勤務の都合などがうまくいかないと、関係性がギクシャクして悩んでしまいます。
さまざまな人間関係で悩み、看護師を辞めたいとか転職したいと考えるようになってしまいます。
業務量と給与との違い
看護師の業務はたくさんあるのは仕方はないけれど、それに合った給与が欲しいと感じている人もいらっしゃるでしょう。
しかし、その業務量と給与との感覚の違いが満足とは言えない状況も少なくありません。
希望の部署で働けない
看護師の中には、自分が働いてみたいと思う部署があります。全ての看護師がその希望通りの部署で働けるとは限りません。
慣れていくとその部署でうまく働いていけるといった状況もあります。
しかし、自分に合わないと感じたり、やっぱり希望する部署が良かったという思いから、このまま働けないと感じる場合もあります。
人事異動で希望の部署に異動したいと訴えたとしても、なかなか異動できずにいると不満が溜まってしまいます。
そうなると、転職したいと感じてしまいます。
転職後に後悔する原因
看護師を辞めたい、今の職場を辞めたいと考え、勢いで退職して転職に至った場合に後悔することがあります。
それはどういう原因があるのでしょうか。
この項目で解説します。
同じ診療科でも業務内容が違う
同じ診療科であれば、業務も慣れているし問題ないだろうと情報収集せずに転職した場合、失敗したと感じてしまうことがあります。
それは、同じ診療科であっても職場が違えば業務内容も違ってくるからです。
処置の方法や医療・看護技術は同じだとしても、他に覚えないといけない業務はたくさんあります。同じ病院だったとしても、業務内容が違うといった状況は少なくありません。
h3/希望の部署での勤務ができない
自分が働きたかった部署では働けないため、希望通りに働きたいので次の病院に転職してもうまくいかない場合があります。
転職後に希望通りの部署で働けるとは限りません。
それは、転職先の部署によっては人員が十分に配置されていたり、急遽退職した看護師がいて人員不足になったのが希望でない部署だったりといった状況があるからです。
応募条件と状況が違う
勢いで転職したとしても、募集要項はしっかり確認したと考えていたとしても、いざ働いてみたら応募条件と状況が違うといった状況があります。
転職する際の情報収集や転職先への質問が少ないと、こういった失敗が起きてしまいます。
急な勤務変更を申請しにくい
転職後、子育てや介護など急な勤務変更を申請しないといけない場合が発生するとしたら、すぐにお願いできるのでしょうか。
転職してからすぐにお願いするには言い出しにくいですよね。
環境や人間関係の良さそうな転職先であれば良いのですが、そうでない場合は申請しにくく転職に失敗したと感じてしまいます。
転職前と同じ理由で悩む
転職した後は、同じ悩みを持たなくて済むと考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、しっかりと自分の中で転職する理由などを考えておかないと、転職前と同じ理由で悩みを持ってしまいます。
給料が下がってしまった
人間関係などで前の職場を辞め、転職したものの給料が下がってしまう場合があります。
これも、事前の情報収集などが不足していたことが原因になっています。
職場の雰囲気が合わない
職場によっては、それぞれに雰囲気があります。
転職先によっては、ピリつきを感じたり、緩すぎたりとさまざまな雰囲気の職場であって、自分には合わないと感じてしまう状況もあります。
人間関係に悩んでしまった
転職後には人間関係に悩まないと考えていたのに、結局は人間関係に悩んでしまう場合があります。
また、その人間関係も考えてもいなかったようなこれまでと違った悩みであったら、転職しなければ良かったと後悔してしまいます。
教育体制が整っていなかった
転職し、新たな業務を覚える必要があったり、対処方法が違ったりと教育を受けないといけないことも少なくありません。
しかし、転職先の教育体制が整っておらず、教育担当看護師や誰も教えてくれない、サポート体制がないなどの状況であれば、一人で悩んでしまうでしょう。
転職なんてしなければ良かったと後悔してしまいます。
転職後に後悔しないための対策
これまで解説した、転職後に後悔しないためには何をすべきでしょうか。
この項目で解説していますので、是非とも確認をしてくださいね。
転職前に退職後の生活について調べる
転職しようと考えたときに、まずは退職後の生活について調べておきましょう。
退職後の支払いがあることを忘れてはいけません。すぐに転職すれば問題ないのですが、しばらく何もしない場合は、支払う必要のある税金が大きな負担となってしまいます。
また、厚生年金などをどうしていくか、生活費などの支払いなどをどうするか考えておきましょう。
給料が下がっても生活していけるのか、給料アップを目指して転職していくべきなのかを検討します。
転職希望の職場の福利厚生などを調べる
次に、転職希望の職場の福利厚生などを調べておきましょう。
転職前の職場の福利厚生から考えると手当が少なかったり、募集要項に明記されていなかったりしないかを確認します。
情報はなるべくたくさん集める
これまで述べたことだけではなく、人間関係や職場への通勤時間など、転職するための情報はなるべくたくさん集めましょう。
転職先に友人や知人が働いている場合や、過去に働いていたといったことがあれば話を聞いておくのも良いでしょう。
複数の転職先を選ぶ
どうしても働きたいといった転職先であれば良いのですが、そうでない場合は複数の求人を確認することをおすすめします。
自分の看護観と看護理念に乖離がないか
看護師になる前に考えていた看護観と、働きはじめて考えるようになった看護観が違うという方もいらっしゃるかもしれません。
それはそれで良いことですが、職場の看護理念との乖離があると転職に失敗したと感じてしまいます。
そのため、転職先の看護理念も調べておく必要があります。
人員不足ではないか
転職先の人員の状況も確認しましょう。
現在は、どの職場も人員不足と言われていますが、少しでも入れ替わりの少ない職場を探すことで自分自身も長く働いていける可能性が高まります。
人間関係の状況
転職先の人間関係がどうなっているかも調べておきましょう。
なかなか難しいとは思いますが、可能な限り情報収集することが大切です。
今の職場を辞める理由と自己分析
転職活動をする前も活動中も考えておきたいのは、今の職場を辞める理由は何なのかと、本当に辞めて良いのかです。
感情的になっていることで、やりたかった今の仕事ができなくなるのであれば、辞めない方が良い場合もあります。
自己分析がとても重要と言えます。
面接の対策をする
転職する際に面接を受けますが、うまく受け答えするためには事前に対策をしておきましょう。
どのような質問があるのかを考えたり、自己紹介はどのようにするか具体的にしておきます。
前の職場で悩んだことを面接で伝えることは決してないように注意しておきましょう。
今の職場を辞めないという選択肢も考える
自己分析をしたら、今の職場を辞めないという選択肢も出てくるでしょう。
転職後に全ての問題がクリアになるということではありません。
今の職場でも比較的働きやすいと感じていたり、辞める理由がはっきりしないのであれば、一旦は転職を考え直しても良いのです。
転職のための情報収集とは?
それでは、転職するための情報収集にはどのようなことがあるのでしょうか。
この項目でみていきましょう。
働いているスタッフの人員配置
転職先の人員配置を確認しましょう。
病棟によっては、7:1だったり、15:1だったりと配置が違っていることがあります。そうなると、業務内容や業務量にも違いがあったり、職員の入れ替わりも違ってきます。
看護理念
転職先の看護理念の確認は重要です。
看護師をどう育てていくのか、患者さんとの関係や、今後の病院としてはどういう考えなのかなどを確認することができます。
福利厚生
福利厚生の確認もしておきましょう。
職員同士の部活のような関わりだったり、さまざまな福利厚生によって働きやすさが違ってきます。
基本給、手当などの給与
働いていくためには、給与の情報は外せません。
求人票には、基本給と手当を合わせて記載しているだけであったら、考えていた基本給との違いで賞与が大きく違って感じてしまいます。
夜勤手当、通勤手当など、どのような手当が設けられているのか調べておきましょう。
有給休暇
有給休暇は、転職後にいつ取得できるのかだったり、自分の希望で取得できるのかを確認しておきましょう。
残業の有無
少しでも残業をせずに働きたいですよね。
転職先は残業が多いのか、有るのか無いのか、有るとしてもどれくらい有るのかを事前に確認しておきましょう。
教育体制
転職後の教育体制についても事前に確認しましょう。
新人看護師としての転職ではなくても、新しい職場では覚えることがたくさんあります。
看護師をどう育てていくのか、教育体制や指導内容などを確認しておくと良いです。
さまざまな悩みを相談できる部署の有無
転職後にメンタルケアや相談できる部署があるか確認することも良いでしょう。
ハラスメント対策などによっては、そのような部署を設けている職場もあるので、いざという時に自分を助けてくれるかもしれません。
自分のキャリアプラン
自分のキャリアプランも考えておきましょう。
転職後に認定看護師を目指すだったり、管理職になりたいだったり、看護師としてのキャリアプランがあれば目標となり継続して働いていけます。
自宅からの距離と交通手段
転職先が自宅からどれくらい離れているのか、交通手段はこれまでと帰る必要があるのかを調べておきましょう。
通勤時間が楽しみという方であれば良いですが、職場が良さそうでもかなり離れていると通勤時間が自分にとって負担になってしまいます。
子育てや自分の時間などのワークライフバランスが取れるか
転職後の子育てのための時間や、自分のための時間が確保できるかを確認しておきましょう。
看護師として働くだけではなく、ワークライフバランスが整うことで心身の調子も良くなっていきます。
これも重要な条件ですね。
転職先の選択肢として
転職先の選択肢は病院だけではありません。
訪問看護ステーション
看護師の転職先には、訪問看護ステーションがあります。
夜勤をしなくて良かったり、利用者さんのご自宅への直行直帰など、時間を有効に使いながら働くことが可能です。
また、訪問看護師としてのキャリアも積んでいけます。
自分がなぜ転職したいのか、転職後にどうしたいのかを明確にして、自分に合った職場で自分らしく働いていけるようにしましょう
いかがでしたか?看護師が転職したいという理由は、誰しも少しは経験したことがあると言える状況だったのではないでしょうか。
看護師の活躍の場は病院だけではとどまらず、今は在宅療養の現場でも需要が非常に高まっています。
今まさに転職したいと思っている方は、なぜ転職したいのか、転職した後はどう働いていきたいのかなどを明確にしておくことが大切であるとご理解いただけたと思います。
転職の選択肢の一つには訪問看護ステーションもあります。
ご自身に合った職場で自分らしくはたらいていけるように転職活動を頑張っていきましょう。
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