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コラム
訪問看護料金はどのくらい?加算の仕組みなどを徹底解説!

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・訪問看護ではどのようなサービスを受けられるの?

・医療保険と介護保険で料金の違いがあるのか

・利用するにはどれくらいの料金がかかるのだろう

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訪問看護を利用するにあたって、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃいませんか。

病院での療養が落ち着き、住み慣れた自宅などの環境で療養生活を過ごしたいと希望される患者さんに対して、訪問看護をはじめとする在宅医療を提供する機会が増えています。

利用できる制度や加算の仕組みを知らないままでいると、月ごとに請求された際に予想と違ったと感じてしまうかもしれません。

この記事では、介護保険で利用する場合と医療保険で利用する場合の違いや、どちらが優先されるのか、基本料金から追加される加算は自分にとって何が必要なのかを解説しています。

病院とは違った自費サービスや保険適用外サービスについてもこれを機会に知っておきましょう。

訪問看護を利用してみたい人や、入院中に退院後の生活に向けて介護保険の申請をした方が良いのか、医療保険での訪問なのかわからない人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

精神科訪問看護の利用の流れは下記ページをご覧ください。

訪問看護における医療保険と介護保険の違い

訪問看護を利用するために、医療保険や介護保険を使うことで利用料の負担を軽減することができます。

医療保険と介護保険の違いや費用、負担割合にはどんなことがあるのでしょうか。

また、利用するにあたって医療保険と介護保険のどちらが優先されるか見ていきましょう。

医療保険の対象者

病気や怪我の治療によっては高額な治療費になるケースがあり、国が定めた医療保険に加入することで治療の一部が負担されることで経済的な困窮に陥らないように生活を送ることができます。

医療保険を利用するためには、以下の3つの利用条件があります。

・医師から訪問看護指示書の交付があること

・40歳以上で要介護・要支援の認定を受けていない人

・40歳未満の人(特に重い病気の場合は、要介護や要支援認定を受けていても利用できる場合がある)

訪問看護で医療保険が利用できる「厚生労働大臣が定める疾病等(特掲診療科の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者)」は、以下の通りです。

  1. 末期の悪性腫瘍
  2. 多発性硬化症
  3. 重症筋無力症
  4. スモン
  5. 筋萎縮性側索硬化症
  6. 脊髄小脳変性症
  7. ハンチントン病
  8. 進行性筋ジストロフィー症
  9. パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る)
  10. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群
  11. プリオン病
  12. 亜急性硬化性全脳炎
  13. ライソゾーム病
  14. 副腎白質ジストロフィー
  15. 脊髄性筋萎縮症
  16. 球脊髄性筋萎縮症
  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  18. 後天性免疫不全症候群
  19. 脊髄損傷
  20. 人工呼吸器を使用している状態

これらは、介護保険の利用者でも訪問看護は医療保険で行います。週に4日以上の訪問と、2ヶ所以上の訪問看護ステーションの利用が可能です。

また、週に7日の訪問看護が計画されている場合は、3ヶ所の訪問看護ステーションからの利用が可能です。さらに、複数名の訪問看護も受けられます。

医療保険における訪問看護に関わる費用

医療保険の訪問看護を行なった場合に発生する基本的な費用のことを「訪問看護基本療養費」といいます。

訪問看護基本療養費は、訪問看護指示書と訪問看護計画書に基づいて、訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行なった場合に発生する費用です。

訪問看護基本療養費(Ⅰ)

訪問看護基本療養費(Ⅰ)とは、同一建物居住者以外の利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する療養費のことです。

ここで「イ・ロ・ハ・ニ」と分類されており、これは訪問看護サービスを提供する職種によって違いがあります。

「イ」は、保健師・助産師・看護師が訪問看護サービスを提供、「ロ」は准看護師が訪問看護サービスを提供、「ニ」は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護サービスを提供したときに算定します。

「ハ」とは、専門の研修を受けた看護師が所属する訪問看護ステーションが算定できる療養費です。

訪問看護基本療養費(Ⅱ)

訪問看護基本療養費(Ⅱ)とは、同一日に同一建物居住者である利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する療養費のことです。該当する利用者の人数が「2人」もしくは「3人以上」によって算定する金額が異なります。

ここでも「イ・ロ・ハ・ニ」と分類されており、先述した職種が訪問看護サービスを提供した際に算定できる療養費です。

訪問看護基本療養費(Ⅲ)

訪問看護基本療養費(Ⅲ)とは、在宅療養に向けて外泊をしている入院患者のうち、厚生労働省が定める状態の利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する療養費のことです。

対象者は、先述した「厚生労働大臣が定める疾病等(特掲診療科の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者)」と以下の通りの「特掲診療科の施設基準等別表第八」、「そのほか在宅医療に備えた一時的な外泊にあたり、訪問看護が必要であると認められた者」です。

特掲診療科の施設基準等別表第八に掲げる者
  1. 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
  2. 在宅気管切開患者指導管理
  3. 気管カニューレの使用
  4. 留置カテーテルの使用
  5. 在宅自己腹膜灌流指導管理
  6. 在宅血液透析指導管理
  7. 在宅酸素療法指導管理
  8. 在宅中心静脈栄養法指導管理
  9. 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  10. 在宅自己導尿指導管理
  11. 在宅人工呼吸指導管理
  12. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  13. 在宅自己疼痛管理指導管理
  14. 在宅配高血圧症患者指導管理
  15. 人工肛門、人工膀胱の設置
  16. 真皮を越える褥瘡
  17. 在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定

医療保険における利用料の負担割合

訪問看護で使用する医療保険での自己負担額は、年齢や所得によって異なりますが、かかった医療費の1〜3割です。

また、医療保険における訪問看護に関わる費用として、基本料金は被保険者・被扶養者ともに3割負担が必要です。

70歳以上は1〜3割、6歳〜69歳は原則3割、6歳未満は2割を負担する必要があります。しかし、地域によっては小児医療助成で医療費の自己負担なしの場合もあります。

介護保険の対象者

介護保険の主な利用条件については、以下の3つがあります。

・医師から訪問看護指示書の交付があること

・要介護や要支援認定を受けた65歳以上の人

・要介護や要支援認定を受けた40歳以上65歳未満で第2号被保険者16特定疾病を持つ人

40歳以上65歳未満の2号被保険者が介護保険を申請できる疾病は以下のとおりです。

  1. ※末期のがん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
  2. 関節リウマチ
  3. ※筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. ※進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  8. ※脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老病
  11. ※多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

※介護保険の利用者でも厚生労働省が定める疾病に該当する人は、医療保険の訪問看護となります。

介護保険における訪問看護に関わる費用

介護報酬に係る利用者負担は以下の通りです。この金額から負担額が計算されます。

区分介護保険(10割)介護予防(10割)
訪問看護Ⅰ 1(20分未満)3,130円3,020円
訪問看護Ⅰ 2(30分未満)4,700円4,500円
訪問看護Ⅰ 3(30分以上1時間未満)8,210円7,920円
訪問看護Ⅰ 4(1時間以上1時間30分未満)11,250円10,870円
訪問看護Ⅰ 51回(20分未満)2,930円2,830円
訪問看護Ⅰ 52回(40分未満)5,860円5,660円

介護保険における利用料の負担割合

要介護、要支援度に準じ、利用者の負担額は原則1割です。しかし、一定以上の所得がある人は2〜3割の負担が必要です。

医療保険と介護保険はどちらが優先されるのか?

厚生労働省が定める疾病に該当する人は、医療保険での訪問看護を利用できます。

それ以外で「要介護や要支援認定を受けた65歳以上の人」、「要介護や要支援認定を受けた40歳以上65歳未満で第2号被保険者16特定疾病を持つ」は、介護保険を優先されます。

訪問看護の基本料金と加算料金

訪問看護において、基本料金はどのようなものがあるのでしょうか。

また、オプションとして追加される加算とはどのようなものがあるのか、利用するにあたって自分は何が必要かは事前に知っておくと良いでしょう。

この項目では、基本料金と加算料金について解説しています。

それぞれ見ていきましょう。

基本料金とは

訪問看護における基本料金とは、先述した通りの訪問看護基本療養費が必要となり、医療保険では週3日まで1回につき5,550円、週4回以上1回につき6,550円が必要です。

この場合も、負担割合は1〜3割です。

加算料金の詳細

介護保険における主な加算は以下の通りです。

  • 初回加算
  • 退院時共同指導加算
  • 夜間・早朝加算
  • 深夜加算
  • サービス提供体制強化加算
  • 複数名訪問看護加算
  • 長時間訪問看護加算
  • 緊急時訪問看護加算
  • 特別管理加算Ⅰ・Ⅱ
  • ターミナル加算

医療保険における主な加算は以下の通りです。

  • 難病等複数回訪問看護加算
  • 緊急訪問看護加算
  • 長時間訪問看護加算
  • 複数名訪問看護加算
  • 夜間・早朝訪問看護加算
  • 深夜訪問看護加算
  • 24時間対応体制加算
  • 特別管理加算
  • 退院共同指導加算
  • 退院支援指導加算
  • ターミナルケア医療費

夜間・早朝・深夜加算

訪問看護を利用する際に、営業時間外に訪問してもらうことになった場合に加算が追加されます。

例えば、介護保険では「緊急時訪問看護加算」、医療保険では「緊急訪問加算」と似た名前で制定されているため注意が必要です。

夜間・早朝加算では、午後6時から午後10時の夜間帯と、午前6時から午前8時までの早朝に訪問看護計画上で利用者または家族からの求めに応じて訪問看護を提供した際に加算されます。

深夜加算は、午後10時から午前6時の深夜時間帯において、訪問看護計画上で利用者または家族からの求めに応じて訪問看護を提供した際に加算されます。

訪問看護における実費

訪問看護では、保険請求ではなく実費での利用も場合によっては可能です。

例えば、病院受診の付き添いや旅行の付き添いなど「プライベートナース」としての利用や、移動の介助・清拭・排泄介助などの看護師で可能なサービスを行います。

その際、吸引や酸素管理などの医療行為については、主治医からの訪問看護指示書の発行と医師の指示のもとでの訪問看護となります。

また、駐車料金など交通にかかる実費が必要となる場合もあるので、訪問看護を利用する際には事前に確認しておくのをおすすめします。

保険適用外利用料

保険適用外の利用料が必要となる場合があります。

例えば、自宅で最期を迎えた時に看護師が行うエンゼルケア(死後の処置)があります。これは、病院で亡くなった際にも行なっていますが、訪問看護では保険適用外利用として利用者本人やご家族の希望を確認して実施します。

1回につき、11,000円ほどが必要です。

利用料金のシミュレーション

要介護認定された利用者が介護保険を利用し、訪問看護を月に4回、初回加算、利用時間は30〜60分未満、緊急時訪問看護加算、1割負担ではおおよそ4,619円です。

要介護・要支援認定や限度額によっても違いがあります。

医療保険を利用し、訪問看護基本療養費(Ⅰ)週3回まで、訪問看護管理療養費、24時間対応体制加算を、1割負担ではおおよそ11,344円です。

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訪問看護で利用できるサービス

訪問看護で利用できるサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

この項目では、訪問看護におけるサービスについて具体的に解説しています。

それぞれ見ていきましょう。

療養生活の相談・支援

訪問看護師は、食生活の管理・指導、内服薬の管理、食事や排泄、入浴の介助、屋内外へ移動や車椅子やベッドへの移乗支援、体位変換などの日常生活の支援を行います。

病状や健康状態の管理と看護

病状の観察、体温や脈拍、血圧や呼吸状態などのバイタルサインの測定は毎回行います。これは、病棟看護師でも同じですね。まずは、利用者が安心して自宅での生活を過ごせるように健康管理を行います。

健康状態については、主治医やケアマネージャーへも報告します。このことで、自宅で生活を継続するためのサービスを見直したり評価したりすることができるため、訪問看護師の大きな役割といえます。

お薬の管理の相談

服薬管理については、飲み忘れがないようにカレンダーにセットしたり、専用の薬箱を用意して1日ずつセットし、利用者が忘れにくく飲みやすくなるようにします。

利用者が終末期である場合は、疼痛コントロールなどの緩和ケアも行うことがあります。

医療処置・治療上の看護

医師の指示のもと、点滴や採血、吸引や褥瘡処置、経管栄養、服薬管理などを行います。その他に、在宅酸素や人工呼吸器などの医療機器の管理もあります。

リハビリテーション

訪問看護において、理学療法士や作業療法士などのセラピストの訪問もありますが、場合によってはセラピストの代わりに看護師がリハビリを行うことがあります。

セラピストのような高度なものは求められませんが、関節可動域訓練やストレッチなどの基本動作、日常生活動作において必要な歩行やトイレへの移動、食事動作などの訓練を行います。

病院から施設・自宅への移行支援

病院に入院している時から退院へ向けて移行支援も行います。

例えば、担当のケアマネージャーが病棟の看護師や医療ソーシャルワーカーと連携し、介護保険の申請や退院後のサービス利用について検討します。

また、利用者に関わるスタッフが集まり担当者会議を行い、退院後に必要なサービスの検討や福祉用具の設定などを具体的に話し合い、スムーズな退院ができるようにします。

訪問看護を利用するにあたって知っておきたいこと

訪問看護を利用するにあたって知っておくべきことがあります。

これを知らずに利用すると、あとで「こんなはずではなかった」と後悔してしまうかもしれません。

ここで詳しく見ていきましょう。

訪問看護は月に何回受けることができるか

介護保険においては、訪問看護の利用回数に制限はありません。

ただし、介護保険の支給限度額によって月間の上限が決まっているため、訪問時間と訪問回数については利用したい内容を含めて事前に担当ケアマネージャーや訪問看護師に確認しましょう。

医療保険では利用条件を満たした場合に、週に1〜3回まで訪問看護を利用することができます。1回の利用時間は、30〜90分の範囲です。

また、主治医が必要性を認めた場合は、利用回数や利用時間数の上限いっぱいまで訪問看護を利用することができます。

1日に利用できる回数や2時間ルールについては下記記事で解説しています。

訪問看護はどこまでしてくれるのか

訪問看護サービスは、看護師による医療処置や療養上の世話を受けることができます。

主治医の指示のもと、点滴や血糖測定、褥瘡の処置を行なったり、入浴やオムツ交換、精神面のケアも行います。また、薬の飲み忘れがないか確認したり、歩行訓練などのリハビリテーションも可能です。

これらは、主治医の訪問看護指示書に記載された医師の指示のもと看護を行います。

自費で訪問看護を受けるには

医療保険や介護保険での利用以外にどうしても訪問看護を利用したい場合に、自費での訪問看護を受けることができます。

オムツ交換や体位変換、バイタルサインのチェック、療養環境の確認や助言など療養の世話に関わることでの利用も可能ですし、看取りのケアも可能です。

点滴などの医療行為に関わることは、自費であっても主治医の訪問看護指示書と主治医の指示のもとで訪問看護のサービスを受けることができます。

事前に利用する訪問看護ステーションへの確認をしましょう。

訪問看護の利用料を事前に知り、自分に合ったサービスを受けられるようにしましょう

いかがでしたか?病院で入院するのとは違い、訪問看護を利用するにあたって支払わないといけなくなる料金についてご理解いただけたと思います。

また、訪問看護では自宅で最期を迎えた時のエンゼルケアだったり、事業所によって設定されている自費でプライベートナースを利用できるといった特徴があります。

訪問看護のサービスを利用するのと同時に、支払う料金のことも事前に理解しておくことは重要です。

経済面を考慮しつつ、自分に合ったサービスが受けられるようにしていきましょう。

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